『正欲』 - 朝井リョウ 感想

『正欲』を観て、「普通」という概念について深く考えさせられた。私たちが日常で当たり前と感じていることが、他の誰かにとっては全く異なることがある。この物語では、社会的な「普通」の枠に収まらない人々、例えばLGBTQやペドフィリアのような普通とは言われないような趣味をもつ人々の生きづらさや思考が描かれていた。

 

特に印象的だったのは、タイトルにもある『正欲』という概念。それは、たとえ周囲が理解し難いとしても、自分にとっての「普通」を受け入れ、それに従って生きることの大切さがわかったような気がする。これは、一見異端に見えるかもしれない存在や感情にも、そこには正当な理由が存在しているのだ。

 

私は、「この世に普通など存在しないのではないか」と感じた。それぞれの「普通」は個人の内面にだけ存在するもので、他人に押し付けるものではない。この物語は、多様性を受け入れ、理解することの重要性を感じ取れた。